永らく自分は太陽だと思っていた。重力の中心で、自分が世界を創る。
いつしかそこに疑問を抱いた。小さい。せこい。揺らぐ。
重力を求める人には相変わらずモテた。素直な人、美しい人、優しい人、どの人にも感謝しかないのだけど、違和感が拭えなかった。
自分は小さい。

小ささを真っ直ぐ指摘してくれる人がいた。最初は認めようとしなかった。
だが、それを認めることこそが、自分に対しての違和感を消し去ることに繋がった。

感謝しかない。おかげで今は、一つの太陽の周りで、自分らしい人生を送っている。
多分長生きは出来ない。しっかり燃やし尽くしたい。