生肉生魚生卵

アメリカにしばらく住んでたことがあるが、玉子かけご飯の話をすると米人ルームメイトから仰天された。不衛生だ、危険だ、何考えてるんだ、と。
日本で販売されているほとんどの卵はとても新鮮で高品質なので、買ってきたばかりのものなら生で食える旨は説明した。が、結局会話は噛み合わなかった。
「いくら新鮮でも買った後時間が経てば食中毒が・・・」
「それは自己責任」 ←自己責任の国の人が相手なのに、ここが噛み合わない


さておき、例のユッケ食中毒事件に連なって、生肉食が禁止されることになりそうだとの話。
また馬鹿なことを言い出す奴が出て来たものだ。

そもそも、生肉はリスクがある食い物というのは大前提。詳しくは目黒寄生虫館などで学習すべし。
更に、あんな胡散臭い激安チェーン店で生肉を食うのがチャレンジャー。
いわんや、免疫力や体力の無い子どもや老人に食わせようというのはバーバリアン。
店側の商売に問題が無かったかどうかは関連法令に照らして検証されるべきだが、安い生肉を食うこと自体相当リスキーというのは日本人の共通認識だと信じる。


ところで、シガテラ毒というのがある。
暖かい海域で繁殖するプランクトンの一種が体内に持つ神経毒で、ブリやカマスなどに生体濃縮されて人間様の口に入り、めまいや腹痛に見舞われる。
年平均数名が発症しているが、未報告事例が多々あるのではないかとの由。海外では死亡事例もあるとのこと。その他、詳しくはWikipediaなどで。

このシガテラ中毒事例の発生海域が(日本近海だと)沖縄から徐々に北上してきてるそうな。
んで、今後シガテラ君が順調に拡散して国内で死亡事例に繋がった時、果たして時の日本政府はブリ食を禁止するつもりかね。

「生食肉とブリでは市場規模が違いすぎる」という指摘はあるだろうが、影響が小さいなら特定の食文化を斬り捨てようというのは御免被る。

だいたい、生魚生卵はおろか、河豚すら食うのが日本人だ。いくら人が死ぬからって、餅なしで正月が迎えられるか。鯨刺しおいしいよ鯨刺し。


つまり結論はというと、食い物を制限する話は病人相手だけにしてくれってことです。
食いたいもん食って当たって死ぬのも美学だし、個々人の死に方の多様性を認めなさい。
きっと魯山人も家康も草葉の陰で嘲笑してることだろう。